常総被災猫や子猫のお預かりボランティアで大変お世話になっているN様
（センター引き出し子猫ショー、ロン、ポーの里親様）より、
妹さんが経験した、保護猫の脱走から捕獲までの経験談をお知らせ頂きました。
他に脱走した犬猫の経緯を知ることがとても参考になったので、
こうした実例を知って頂き、同じような立場に置かれた方の参考に少しでもなれば…と。
大切な犬猫が逸走してしまうと、頭が真っ白になりパニックになってしまい、
何をしていいか混乱してしまうものです。
そんなときの一助にして頂ければ幸いです。
「脱走猫の捕獲までの実例～ビアンカちゃんのケース」
高知県の保護猫、ビアンカが脱走して捕獲されるまでの3日間を書きます。
ビアンカは元野良猫、1歳未満の女子です。
大変人懐っこく食べ物をねだるので、数日通って素手で捕獲しました。
保護して1週間、メディカルチェックや避妊手術を行い、ケージの中でお世話していました。
近日里親さんを探して、家猫として幸せになってもらおうと考えていました。
■脱走当時の状況
朝7時、お世話をしている時に脱走しました。
外へ続く引き違い戸を閉めた時に、バウンドして隙間が開いていた事に気付かず、
ケージから飛び出したビアンカを外へ逃がしてしまいました。
追いかけましたが、民家と民家の間に入っていき、すぐ見失いました。
■当日やったこと 木曜日
姉からネットで調べた最初にやるべき事とチラシのデータがメールで送られてきました。
①警察に遺失物として連絡する
②保健所、愛護センターに連絡する
③近隣の動物病院に連絡
④知人のボランティアさんに捕獲器を借りる。
⑤逃げ込んだ敷地の持ち主に許可を取ってお庭を見せてもらう。
まずは脱走現場付近をよく捜しました。
チラシを20枚印刷してご近所に配り協力をお願いしました。
逃げ込んだ可能性が高い敷地の持ち主に「お庭を探させて欲しい」とお願いしたところ、
なんと断られてしまい、門前払いされてしまいました。
午前中探しましたが見つからず、夕方からまた捜索することにしました。
脱走現場に戻れたのは、21時過ぎでした。
逃げていった道に好んで食べていたフードを置きました。
■脱走して1日 金曜日
翌朝5時半、フードはキレイに食べられていました。
再度フードをセットして出勤しました。
夕方18時過ぎ、雨のせいかフードは残されていました。
新しいフードをセットし、今度は4mほど離れた場所で張り込みました。
１時間後、フードに近寄る猫の影が見えました。
しかし私に気付いて、踵を返し戻って行ってしまいました。
急いで捕獲器をその場所にセッティングしましたが、
その日は深夜1時を過ぎても捕獲できませんでした。
姉が、「猫探偵社」という会社をネットで見つけました。
猫専門の探偵さんのようで、ネット上の情報では信頼できるようでした。
捕獲に有効な機器を使って探してくださる様で、姉に強く勧められましたが、
頼むべきか自力で探すべきかかなり悩みました。
■脱走して2日 土曜日
朝5時、フードは食べられていましたが中には誰も入っていませんでした。
捕獲器を再セッティングしました。
深夜0時、捕獲器の確認に行くと、なんとビアンカが入っていました！
無事に捕獲することができ、また比較的早く見つかることができ、
本当に胸をなでおろしました。
■脱走すると本当に辛い
この３日間は体力的にも精神的も疲弊しました。
脱走防止に努めることはもちろんですが、脱走した場合の準備を事前に行う事も必要だと痛感しました。
今回は、飼い猫ではなく保護猫でしたので、私自身どこまで手を尽くしてよいものか葛藤がありました。
出会ってわずか2週間、何の信頼関係も築けていない間柄です。
避妊済み耳カット済みなので、無理に捕まえるより、
地域猫として外で猫生を全うした方が幸せなのではないか。
いや、何が何でも家猫として幸せになってもらうのだから、猫探偵さんにも依頼してみようか・・・？
諦めてしまう前にビアンカに再会できて、本当に嬉しく思います。
幸せになってもらうために、脱走には細心の注意を払いながら、もうしばらくお世話に励みたいと思います。
(↑乳飲み子で保護され、N様の子猫保育園でスクスク育ったおりょうちゃん）
（ｂｙ N様・掲載ドラメイ）
CAPINでは、逸走・保護情報の情報掲載の場の提供、
捕獲機貸出などのサポートを行っております
