本日1月5日、13:30より、つくば市長の五十嵐立青さんにCAPINより要望書を提出して参りました。
*****************
2017.1.5
つくば市長 五十嵐 立青 殿
住所 茨城県つくば市二の宮2-7-20
名前 NPO法人CAPIN 代表 鶴田真子美
CAPIN会員つくば市民 松下明行、重松聖子
髙鍋あい子、平林由美子、 ほか一同
電話:090-6112-7179、FAX:029-851-5586
つくば市のご公務に日夜ご尽力される五十嵐市長殿に、会員一同、心より敬意と感謝を申し上げます。
昨年、茨城県でも、犬猫殺処分ゼロをめざす条例が12月28日に公布施行されました。この折に、つくば市への期待を込め、下記要望をいたします。
要望書
◆要望の趣旨
下記 5点の内容を含むつくば市動物愛護条例の制定 及び、つくば市が茨城県から補助金を受けるための基金条例の制定を求めます。
市町村に動物愛護条例、基金条例がないと、茨城県が集めたふるさと納税などの財源を市町村が受けられない可能性がございます。今後は、殺処分ゼロを目指す志のある県内のどちらの自治体も、動物愛護条例の制定を急ぐ流れになるかと存じます。
1.飼主のいない猫との共生ができる社会づくりをするための社会基盤整備の一環として、飼主のいない猫の避妊去勢手術の助成金制度を作る。
2.つくば市から茨城県動物指導センターに犬猫を一匹も送らないために、殺処分ゼロを実現するための犬猫一時収容・譲渡・啓発施設の設置運営
3.災害時において、避難者が飼育犬猫とともに避難できる市営「同伴避難所」を開設すること、また事前に施設を決めておくこと
4. 公式HP、市報、回覧板などを活用することにより、犬猫の適正飼養や遺棄虐待防止のための広報啓発活動に力を入れること
5.動物愛護推進協議会の設置(つくば市は、獣医師会、動物愛護推進員、NPO法人と協力体制をとる)
◆要望の理由
1.
飼主のいない猫は、地球上で、地域において人と共に暮らす、大切な命を持った存在です。このことは、わが国はもとより、文明国において共通の理解とされています。常総市においても、飼主のいない猫が安心して暮らせる、命に対してやさしいまちづくりを目指すべきだと思われます。そのためには、地域の人々の理解を深め、安易に遺棄したり市や県に収容させたりせず、地域で見守る体制作りや啓発活動を行うことが大切です。
そして、飼い主のいない猫の問題解決に、TNR(野良猫に避妊去勢手術をして元の場所に戻し管理する)、地域猫が有益であることはいまや明らかです。犬猫の殺処分の約8割は猫です。飼い主不明の猫の繁殖制限・頭数管理が、殺処分削減の鍵を握っております。地域猫に関しては、前回の動物愛護法改正の際に、その官民挙げた推進が付帯決議とされており、殺処分を削減することに大きな意味を持っています。全国各自治体が野良猫の手術に助成金制度を設けるような動きが進んでいるなかで、つくば市においては飼い主のいる犬猫の避妊去勢手術に助成金制度がございますが、飼い主のいるものは本来であれば飼い主の責任で行えるものと存じます。が、飼い主のいない猫への助成制度こそを早急に設けるべきです。
助成金が使用できる病院を獣医師会登録の市内動物病院に限定すると、元の手術費用が高い(2~3万円)ため、数千円の助成金を使っても、ボランティアの自己負担がどうしても大きくなります。しかし、獣医師会に所属しない獣医師もおり、TNRを熱心に進めているため一匹あたり6000円で手術を引き受けてくださるので、ボランティアの負担も抑えられます。茨城県で避妊や去勢が進まず、子犬や子猫が多数産まれ、捨てられることが多いことの背景には、高額な手術費用があげられます。避妊去勢を徹底しなければ、望まない命が生まれ、山や川に捨てられます。それが野犬となり、野良猫となり、また繁殖する、という負のスパイラルから脱することはできません。『望まない命を増やさない』ことが肝要です。つくば市の犬猫殺処分数を減らすためにも、産まれる前に対処する、不妊去勢手術しかありません。行政が中心的な役割を担い繁殖防止の為に不妊去勢手術の取り組みを推進し、その費用を全額または一部でも助成する事が、不可欠です。また、獣医師会登録病院の指定動物病院制を無くし、どの病院でも助成金を使えるようにすれば、手術は一気に進みます。
2.
2011年よりCAPINではシェルターを運営し、被災動物や茨城県南の犬猫の保護譲渡、動物指導センターからの引き出し、集団手術等を行って参りました。昨年度の実績は、このようになっております(詳細は別紙)。
***************************
(CAPIN活動報告 2015年度 (2015年4月~2016年3月)
野良猫TNR頭数:1369匹
(常総以外の)犬猫の保護譲渡数:274匹
参加里親会:37回
CAPIN地域猫エリアでのTNR数:55匹
常総の保護子犬:47匹
常総の保護成犬:29匹
常総水害のCAPIN預かり犬猫:39匹
********************
2015年9月発生の水害以降、常総市から茨城県動物指導センターに送られた犬猫は、公示情報に掲載されたものはすべて当会CAPINで引き出しをし、命を助けて参りました。茨城県と常総市とCAPINでは、2015年に始まった常総野犬問題解決のため、県と常総市とCAPINとで、常総市に野犬シェルターを共同運営しており、実績がございます。
つくば市としても、一匹もセンターに送らずに、迷子は飼い主に戻し、また里親さがしをするなど、生かすための施設を作って、官民協働で運営をしていくときかと思います。中核市となったつくば市は、動物行政を独自で行えます。飼い主不明の犬猫を動物指導センターに送り込む代わりに、こうした施設の拡充、あるいは移転を視野に入れ、犬猫殺処分ゼロ施設を、つくば市として運営できると存じます。こうした施設が、やがて犬猫譲渡の場、市民の啓発の場、市民のネットワークの場となり得ます。また、茨城県全体への意識改革につながるものと期待されます。
3.
2015年常総水害においては、犬猫うさぎを抱えた飼い主さんたちは、避難所に出向いてもペット同伴の入室を断られました。屋外にテントを張って犬とともに避難生活を乗り越えた方もおられました。避難所を追い出され、行き場がなくなり、やむなく自宅に戻っていかれた方も多かったのです。避難所に連れて行かれないからと自宅につないできたため水死した犬もおりました。避難所の外に出された晩に、寒空の下、病死した犬もいました。避難所「あすなろの里」にはペットの物資も置かせてもらえませんでした。避難者の連れて来た犬猫は当会でお預かりをするしかありませんでした。
被災動物の問題は国をあげての改善が求められております。同行避難は法改正にも盛り込まれたにも拘わらず、現場の職員には理解されておりません。被災動物をどう扱うか、市で事前に動物同伴施設を決めておくことが肝心です。犬猫ペット連れの被災者用の施設を市内にひとつでもよいので、決めてください。災害発生時には、その施設がペット関連物資の基地になり、動物ボランティアさんもそこに集結できます。動物の毛のアレルギーがある方や、動物の苦手な方に対して気兼ねなく過ごせます。犬猫を抱えた被災者が、避難をする必要に迫られる前に、どこへ避難すればよいかを事前に把握していること、市職員すべてがその対応策を共有していることが大切であり、災害が起こってしまってからでは遅いのです。つくば市は先進自治体として、速やかに施策を講じて頂くようお願い申し上げます。
4.
愛護動物の遺棄は犯罪です。が、避妊をせず、医療もかけず、産まれたら捨てるのが当たり前になっている市民の意識を変えるためには、何よりも啓発が重要です。捨てられた犬や猫の里親会や、動物愛護精神を伝えるパネル展示や写真展などを、市役所の敷地で開催することや、市のイベントに参加する他、不妊去勢手術の推進、終生飼養の呼び掛けを市報や回覧板、HPに掲載することが、市民の意識向上に繋がっていきます。また、市の教育委員会とも連携し、命の大切さを子どもたちに理解させる取り組みを進めることも重要です。
5.
以上、犬猫殺処分ゼロを目指して保護譲渡活動に取り組み、動物愛護精神を市民に根付かせるためには、つくば市と個人・団体との協力関係の構築が必要と思われます。そのためにも、動物愛護推進協議会を設置し、その枠組みのなかで定期的に情報共有する場を持ち、協議や研修を行うことが望ましいと思われます。つくば市は、獣医師会や動物愛護推進委員、個人ボランティア、NPO、動物保護団体、警察や教育機関とも連携し、行政の枠組みを超えて、生命を慈しむことの大切さを市民に訴えていくべきです。そこが市民からの動物に関する各種相談の受け皿となっていけばよいのです。動物虐待相談があれば警察や弁護士を交えて事例検討会を開き、人が育って適切な対応をできるようになれば、やがてはアニマルホットライン設置につながっていくかもしれません。
以上、要望いたします。
よろしくご査収くださいますよう、お願いいたします。
byおかめ
↧
1.5 期待の若きつくば市長、五十嵐立青さんに要望書を提出
↧