ボビーとマイの姉妹。
常総市ののんびりした畑の脇の家でごはんをもらってひなたぼっこしていました。
ここは常総シェルターからも車で10分かからない場所。
ここで野良犬への毒まき、山への埋葬事件の相談を受け、昼の常総シェルター見回りの前に行ってみたら、このわんちゃんに会ったのでした。
12月にセンター引き出しした常総犬たちが何匹かいましたが、ボビーとマイは、ここから近い家の敷地にかけられた常総市の捕獲器のなかに入り、センターに入ったようです。
住民の方にボビーの写真を見せると、確かにこの犬だと驚いていました。
ボビー
「頭がよくて可愛くて、一昨日は麻布の里親会に参加したのですよ」と言うと、更に驚かれました。
ここでも、野良犬に餌をまく人の二軒隣に、毒をまく方がおられます。
もう何匹か行方がわからなくなっています。
畑を荒らされるから、毒をまいて犬を駆除する、というやり方が、このあたりでは当たり前のようにされています。
ここだけでない、坂東市でもつくば市でもありました。坂東市で、畑で泡を吹いて死んだ犬を住民が埋めたそうです。
でも毒まきはそれこそみだりに殺す、犯罪です。
2年前はそれを行政が企画したことに驚きました。狂犬病が蔓延しているときの措置として、狂犬病予防法に書いてありますが、狂犬病が発生していないのにそれを行政がやったら、それはもう違法行為です。
2年前から野犬問題解決に取り組み、ワーキンググループで常総シェルターを運営し、市のまつりに参加し啓発チラシを配って呼び掛けても、なかなか変わりません。
避妊をしないで餌をまく人がいて、
一方で、毒をまく人がいる。
私たちが散歩をしている畑では、2年以上前、私たちが入る少し前に、約50匹の犬の毒殺死体が転がったと聞きました。
どうすれば意識が変わるのだろう。
人の意識が。
上から目線でも変わらない。
言葉だけでは伝わらない。
手術せず増やし、毒で殺す、あるいは行政に殺させるのでない解決策を、そこに暮らす住民が自発的に考えるようにならなければ、変わらないだろうと。
理解し、学ぶことの基本は自発性にある。
住民の方にどうやって参加してもらうか。私たちの掘っ立て小屋の、常総シェルターの取り組みに。
住民を巻き込むしかない。
なぜこれをやっているか。目指すのは何か。
一緒に汗を流すことでしか伝わらない。
そこら辺の人をとにかく参加させる。
まさに草の根です。やってることをまず知って頂くこと。
最初は問題が少々あっても、だんだん分かってくる、野犬の賢さ、魅力を。
なな
むつ
ボランティアのしおりさんがスープを運んでくれる。
サブ
人の意識が変わるには?
教育、啓発というものについて考えています。
先生が生徒に一方的に短時間で知識を叩き込む、という古典的学校のあり方は否定されるようになっています。それでは身につかないからです。
自分で学ぼうとしない限りは無駄。
楽しくないとだめ。
わくわく幸せ感がないといけない。
人との、社会との関係のなかで、学んでいく。
間違いを自分で修正したときに人は成長する。
誰かから教えてもらっても、成長できない。
自分が自分で考えて、変わるのだ。
みんなが100の言葉を持ち、100の夢を抱き、100のツールを持っている。人はみなちがう。
子どもだけでない、大人にも言えることだろう。
ある教授法の研修で、来日した教育学の教授は、教壇を取り払い、みな同じ目線となり、劇をやらせ、ディベートをやらせ、能動的、自発的に発言させていました。
私たちももっと話し合う必要があります。ボランティア同士、ボランティアと住民。
レッジョ エミリア アプローチの「学び」のあり方に触れ、これは人間、動物の権利や福祉を皆で考えて学んでいくプロセスにたいへん参考になると感じました。
上から叩き込むよりも、隣に寄り添って、質問を投げ掛け、自発的にできるようにガイドする。
避妊去勢、係留、適正飼育。
こんな風にしたら、もっと犬も幸せだしあなたも楽になるよと。
毒殺は証拠がつかめたらもちろん法的措置のために警察へ。その一方で、やはり、対話して、説得、いっしょに汗をかいてもらう。
そのための基地が、常総シェルターかと思います。
byおかめ
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はびこる野犬毒殺
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