野犬の保護相談が全国からあり、現地に行かれる距離なら行きますが、遠方ならアドバイスしたり、アメリカから輸入捕獲機を送ったりしています。
が、うまくつかまえられない場合など、交通費を出してもらって、呼ばれることもあるのです。
今回は九州の西都市。
子犬11匹とお母さん犬。
3年前から何度も産んでいる。
子犬8匹は手でつかまえられたが、残り3匹と母犬がつかまらない、と言います。
依頼を受けた四季通りの会、みやざき市民オンブズマンから頼まれ、捕獲機を送りました。
セットしてなかで餌を与えてもらい、仕掛けはせずに慣らしてもらっていました。
子犬は、猫用トラップを仕掛けてもらっていました。餌は確実になくなっていました。
月曜日の仕事帰り、最終便で着いて、夜中、すぐに西都市に仕掛けに行きました。
子犬が轢かれないように飛び出し防止のヨシズ柵がつけてありました。
もう何度か出産を繰り返してきたこの犬を助けようと、近所がみんなで苦心されてきたようです。
かつての悲しい交通事故の経験から、見守る皆が工夫した柵です。
翌朝、子犬2匹が入ったと、近所の方から電話がありました。
ご近所の皆様も喜んでおられました。
四季通りの会、坂元潤子さんが週末の里親会に出されます。それまでは坂元さんのご自宅で慣らし。
仕掛けては見回り。
1年前に熊本から保護した猫ちゃんに再会。
全盲のため、坂元さんご夫妻が里親になって下さっていました。
ありがたいです。ご苦労をおかけしています。
あとは、母犬と子犬1匹。
捕獲機が足りないと感じ、高鍋保健所に、坂元さんを通じて昼に電話して頂きました。
坂元さんは、保健所やセンターから日頃引き出しをされています。
私は明日の朝の便で帰らねばならないと話しました。だから今日しかないのです、今から取りに行けないでしょうかと高鍋保健所で貸与をお願いしました。
が、保健所は、捕獲したあとに犬を私たちに渡せるかどうかはわからない、犬を渡せるかは会議次第だ、とのこと。
とにかく会議は時間がかかる、捕獲機は今日のうちには渡せません、と。
つかまえた犬を私たちに渡さないなら、野犬は保健所で殺してしまうのに、何を迷い、会議を開くのでしょうか。国も議会も出来る限りの命を生かすとしているのに。
保健所で捕獲するからと、住所を教えるよう言われましたが、つかまえて殺されてしまう可能性があるため、断りました。
宮崎県は、かつて譲渡適正がないとの理由で、やはり親子犬のボランティアによる引き出しを拒み、何としても処分しようとした過去があります。これは裁判にもなりました。
行政から生かすために捕獲機を借りることが許されない土地なので、私たちは自力でやるしかありません。
野犬の保護は難しいものではなく、捕獲機は買えます。民間がやれる。私みたいにか弱い女が噛まれずに保護し慣らしができます。誰もが出来る。野犬といえど、つかまえてみたら何てことはない、触れる、よくいる怖がり犬。
行政しか野犬対策はできないとし、これを独占し、全国で年間40億円をかけて、野犬対策としてセンターや保健所で犬猫を集め殺している、この利権構造を崩さないと、何も始まらないだろうと思います。
翌朝、最後の子犬1匹がつかまりました。
あとは母犬だけ。
この軒下とか、竹林にいます。
長期戦になるかな。と覚悟。
とにかく餌やりを近所の方にやめてもらい、空腹作戦で。
すると夜のうちにかかっていたのでした。
お迎えに行きました。
昨年、この母犬から産まれたという犬を保護されたご近所さんが、お母さん犬に会いに来られました。
檻の母犬とよく似ていました。
昨年、この母犬は、ご近所のお宅に移動した子犬に生ゴミの餌を運んできたそうです。自分はお腹がすいているのに。
犬の親子の情の深さに感動したと話されていました。
これからはあなたが幸せになる番よ。
青葉動物病院さんで入院し、避妊手術、ワクチン、フィラリア検査、首輪つけをしてもらいました。
私は病院からタクシーで昼前の飛行機に飛び乗り、茨城県に戻りました。
住民の皆様のご協力の素晴らしさを感じました、
皆が保健所に送るまいと必死でした、
センターや保健所が殺す場所であってはならない、
税金を払う住民はだれも殺すなんて望んでいない、
野犬であっても。
動物行政の本来あるべき姿は、まず生かすこと。
それにはスピーディーでなくては間に合わない、会議や書類提出はあと、事後報告で十分。
現場は待ったがきかないことばかり。
すぐやる。
すぐ動く。
この繰り返しです。
by おかめ
↧
野犬親子4匹の保護
↧