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2.11 イタリア動物事情などご紹介

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2月11日の朝犬

大五郎とホーム




ホーム

若葉と大五郎

若葉

モコ


寒さが緩んだ朝でした。

洗濯物がたまっていたけれど、ガラガラ回してありました。



ネネ




ムサシ

午後からイタリアのお話をさせて頂く機会がありました。


まず、ローマの動物保護条例のご紹介をしました。
自治体は動物保護団体に財政支援し育成する。生後60日未満の子犬子猫は親から離さない。殺処分は禁止。地域犬あり。などなど。

また、ローマのボルゲーゼ公園にある保護犬シェルター(東京ならば、上野公園に譲渡シェルターがある感じでしょうか)や、郊外にあるローマ市立の広大な犬猫保護シェルター、ポルタポルテーゼの小さな猫シェルターや、遺跡のなかに作られた洞窟のような民間の猫シェルター(トッレアルジェンティーナ)を、スライドでお見せしながら、解説しました。

そして、

映画 サンロレンツォの夜 の紹介も。映画監督は、タヴィアーニ兄弟で音楽はニコラ・ピオヴァーニ。
◆映画の背景として、レジスタンス時代の解説をしました。1943年 ファシズム政権の崩壊と休戦協定締結により、ドイツ軍支配の北部と連合軍占領下に置かれた南部に二分される。南部王国(V.エマヌエーレ3世とバドリオ政権)が連合国の共同参戦国としてドイツとの対決姿勢を鮮明にする。反ファシズムを掲げる共産党、プロレタリア統一社会党、行動党、キリスト教民主党、労働民主党、自由党の六党は、国土解放に向けて国民解放委員会を結成。ドイツ軍やファシズム勢力への抵抗運動が行われた。(内部では、組織力にも大差あり、政治路線をめぐる抗争も絶えなかった。が、反ファシズムの統一を優先し、イタリア労働総同盟が結成された。)

ナポリ以北を占領するドイツ軍により、ムッソリーニを元首として、ガルダ湖畔にサロ共和国が成立する。サロ共和国では支配強化、黒色旅団による苛烈な摘発が行われた。20年余りに及ぶファシズム政権の教育を受けて多くの青年が志願。45年4月25日、北部は自力解放に成功、スイスに逃れようとしたムッソリーニは捕らえられ処刑。ファシズムの時代は終わりを告げた。

***********************
映画は史実をもとに作られました。監督の故郷のサンミニアートで、1944年、7月22日、55人の市民が命を奪われた事件。撮影地は事件のあったサンミニアートですが、映画では町の名称はサンマルティーノとされていました。監督にとって、また生き延びた住民にとって、記憶はあまりにも生々しく、映画ではほんとうの町の名前を用いることができなかったのです。
また、聖アンドレア教会(エンポリ)で撮影されました。

ほかにも。。。チヴィテッラ村でも同様の事件が起こりました。1944年6月29日、イタリア、トスカーナ州Civitella in Val di Chiana村で、ドイツのヘルマン・ゲーリング部隊によって、住民115名が虐殺された事件です。同じ日、付近の別の3つの村でも虐殺があり、その合計は244名に上ります。事件の行為者の一人が逮捕され、イタリアのLa Spezia軍事裁判所に刑事訴追されました。イタリアの法律では、刑事事件の被害者が、犯人に対して民事訴訟を起こし、双方を併合審理することができます。この刑事事件でも、被害者や遺族らが、ドイツを被告とする民事訴訟を提起しました。 2006年10月10日 La Spezia軍事裁判所で原告がドイツに勝訴。2007年12月18日 軍事裁判所の控訴審でもドイツに勝訴。2008年10月21日 イタリア破毀院でもドイツに勝訴。ところが2008年12月23日 ドイツがイタリアを被告として国際司法裁判所に提訴しました。2009年6月28日 ドイツ大使がイベントに参加して謝罪をしています。2012年2月6日 国際司法裁判所で、残念ながらドイツ勝訴の判決が出されました。理由は、国際法上の基本原則である主権免除を侵している、というもの。国際司法裁判所では、人道的配慮や人権よりも、「主権免除」という慣例的な解釈を優先されたのです。イタリアでは、国際司法裁判所の判決を受けて、破毀院の判決を無効にする内容の法律を作りました。被害者らは負けずに、憲法裁判所に対して、この官僚が作った法律が違憲であるという訴えを起こしたのです。それに答えるようにして、2015年には、イタリア憲法裁判所が、上記の法律が違憲であるという判決を出しました。すばらしいですね。イタリアは!あくまで被害者や遺族に寄り添う判決を出したということです。Civitella村の市長は、個人的な損害賠償は求めず、第二次大戦中、ドイツ軍が潜んでいたために連合軍の爆撃により破壊された中世の城壁の修復、及び資料収集を、ドイツに求めたい、と言っています。そのあたりは、実際にヴェローナ大学の国際法教授や、軍事裁判所の検察官にお会いして、私も通訳としてお話を聞きました。

そのときのスライドなどお見せしつつ、平頂山事件のこと、イタリアは過去の歴史を忘れない、というブームがある、それに比べてこの国は!

と、嘆き節になりました。

パルチザン文学「蜘蛛の巣の小径」(イタロ カルヴィーノ著)、映画「ライフイズビューティフル」ほか、ネオレアリズム映画をぜひご覧下さい。映画「無防備都市」「ミラノの奇跡」「自転車泥棒」など多数あります!       



by 鶴田おかめ












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