昨日、福島のおばあさんから電話がありました。
入院したから犬たちを助けてほしい、と。
7日に市役所から職員が自宅に来る、そうなれば犬は保健所にやられてしまうから、と。
福島の被災おばあさんは先月末に入院されていました。
現在、犬は4頭と猫が数匹残っています。
先月、梨畑ドッグランで雪に埋もれて帰宅できなくなり、ジャフを呼んでいるとおばあさんから夜中に電話があり、そのあと無事に戻れたことは確認していました。
こちらも1月に、常総の雪道で車がスピンし、回転しながら反対車線に飛び出てしまって、縁石でやっと止まり、あやうくかつての常総シェルターの川に落ちるところでした。それなので、おばあさんには、春までは雪深い福島に行かれないからそれまで元気でいて、と伝えていました。
おばあさんは温泉のお風呂場で倒れて救急車で運ばれたそうです。
倒れてからは、知り合いと親戚に餌をお願いしてきたと話されました。
おばあさんから、ちゃこたちを助けてくれ、あずかってくれ、と連絡をもらいました。
翌5日に、福島に向かいました。
自宅の2匹はコタツにいるだろうから何とか捕獲できても、広いドッグランにいるオス2匹はつかまらない犬です。中にいるかもわからない。いくつも抜け穴があるから。
北村さんと八間堀さんが同行下さることになりました。
犬用トラップ2台。
猫の捕獲器も5台を積み、毛布やフードを用意し、出発しました。
次第に雨脚が強くなり、福島市に着く頃は土砂降りでした。
自宅の太郎ちゃんは病死していました。
親戚の方によると、昨日の朝には生きていたそうです。今日はすでにネズミにかじられていました。
八間堀さんが庭に穴を掘り、埋葬しました。
チャコは悲しげに吠えていましたが、抵抗なくつかまえ、ケージに入れました。
チャコは、まず医療をかけ、皮膚を治療し、シェルターの部屋に入れることになるかと思います。皮膚病のため毛がないので、かなり寒いかと思います。
今夜は山猫亭に入れ、朝に病院へ運びます。
それからシェルター入所となります。犬が増えることになり、たいへん申し訳ありません。私としては、やっと所有権放棄が実現し、残っている犬を助けられること、福島の清掃に行かなくてよくなることで、安堵の思いがいたします。
つかまえた黒猫、玄関にて。
つかまえた黒白猫、納屋にて。
ターゲットのおばあさん宅の常駐猫は一応捕獲しました。
この福島の多頭飼育崩壊現場には、東日本大震災以降、定期的に関わってきましたが、助けたくても犬を手放さない飼い主さんの問題に直面し続けてきました。
愛情はあるのに体がきかないでお世話もしきれずにゴミ屋敷となる。何度片付けても、また翌月には元に戻る悲しさ。
飛びまわる逃げないどぶネズミさんたち。
薬つけても治らない皮膚病。
環境じたいが汚染されているから。
地元病院からも薬を送ってもらいましたが効きません。
この問題も、私たちに丸投げされたまま、行政は何もしてくれませんでした。
福島市役所にかけあってもゴミの回収さえも拒まれて、他県から私たちがたまに来て、トラック借りてクリーンセンターに運ばねばならない。
医療ネグレクト虐待で仮に警察が動き犬を取り上げたとしても、保健所に送られて、ほぼ処分です。慣れない病気持ちの犬のセンター譲渡は困難です。
虐待に対応し緊急保護できる施設が行政にはない。
犬を生かすためには民間が引き取るしかない。
動かない行政。
動けない行政。
結局、民間がやるしかなかった。
そこに立ちはだかる、飼い主の所有権の問題と、緊急保護のための法制度の不在。
根本解決をするには、おばあさんが飼育できなくなる状況を待つしかなかった。
今を待っていた。
やっと手放す気になった。
でもそのときには、もう犬はほとんどいないのです。
並ぶ骨壷。
並ぶ骨壷。
これから、どうやって、どうするか、おばあさんは。
いや、生きているものが最優先です。
ドッグランの犬はほとんど姿も見せず。
オス二頭。16才。
捕獲器にもかからず警戒しています。
おばあさんも医療施設で治療を受けられ、からだは楽になったのではないかと思います。
ご親戚ともお会いし、今後について話し合いが出来ました。
今回のような事例で動物を確実に保護するための法制度について、下記の院内集会にて、山猫弁護士から、まとめて発表する予定です。
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3月23日金曜日、午後から、衆議院第一議員会館地下大会議室にて、法改正のための院内集会を開催します。ペット法塾、全国動物ネットワーク主催、環境省動物愛護室長則久様にもご出席をお願いしております。
皆様のご参加をお待ちしております。
by 鶴田おかめ
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3.5 福島犬多頭飼育おばあさん支援 チャコと猫2匹保護
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