中庭がいくつもあり、診察室や病棟も奥に奥にと広がっています。
そこにたくさんの地域猫が暮らしています。
病院に猫。
猫たちを眺めるのは、中庭を散策する患者さんの楽しみでもあります。
日本では、やれ細菌が、病原菌が、と疎まれる猫。
病院の敷地から追い出されるのが常。
私たちの8年にわたり管理する某地域猫エリアにも、病院敷地が隣接しており、猫たちは軽々と境界線を乗り越えて、出たり入ったりをするわけです。
暖かな場所を、餌場を求めて。
それが問題とされ、猫の移動を余儀なくされていますが、
ヴェネツィアのサンティジョバンニエパオロ病院ではまったく問題にされず。
中庭から回廊や建物に出入りする猫たちに目くじら立てる人はいません。
ルネサンス様式の美しさ。
静かなヴェネツィア。
隣はヴェロネーゼの絵画で名高い聖堂。
私が学部留学していた1987年あたりからは、島の広場、特にピアッツァーレ ローマからリアルト橋の間の広場は野良猫だらけでしたが、あれから大規模な法整備があり、避妊去勢が進み、今はこうした病院の中庭や、緑のある場所のほかは、ほとんど猫のコロニーは見かけません。
避妊去勢が動物福祉の向上、殺処分ゼロのための、要です。
by 鶴田おかめ