ローマ市の巨大シェルターは郊外にあり、
電車で出かけます。
駅を降りるとすぐに広大な犬シェルター。ほかには何もない。
建物が立派です。広大な敷地に犬舎がどんどん建てられていました。5年前には。
今はもっと巨大になっているかしら。
保護犬の里親になりたい人も、犬を探しに来ていましたし、緊急保護した犬を連れてきた方もいました。
スタッフは色ごとに担当が決まったTシャツを着ていました。
獣医
譲渡担当
ボランティア担当
ドッグトレーナー
以前まとめたものです。
http://s2dc6cdfca12ad552.jimcontent.com/download/version/1414398748/module/7216351015/name/10%EF%BC%8E20イタリア動物愛護法2013%2010大坂シンポ.pdf
動物のこととは逸れますが、、、ローマの街を歩くと、色々な場所に見られるのが、この4文字
SPQR
これは共和制ローマを象徴するワードで、ローマの元老院と人民、の意味です。
元老院とは、王政期に各氏族の有力者が集まった、王の助言機関でした。
元老院は、経験豊富で知識のある年長者の集まりです。元老院は、執政官や軍人を選任する権限を持ち、執政官が独裁者にならないように執政官の任期は一年としました。
つまり、SPQRはローマの精神であり、主権在民、との意味があります。
ローマは独裁者のものでなく、元老院と市民のものでした。
紀元前27年、帝政になって以降も、ローマはいにしえの共和制を引き継いでいるという建前でいました。
初代皇帝オクタビアヌスも、自分は市民の第一人者だと言い続けてきました。
皇帝の地位が明確に変質したのは3世紀後半のディオクレティアヌスの頃です。独裁的専制政治を始めた人です。
395年東西分裂の前、4世紀前半のコンスタンティヌス帝の頃から、ローマ帝国の中心はローマからコンスタンティノープルに移り、ローマは一地方都市となり、やがてはローマ教皇の街に変質していきます。
元老院は7世紀に消滅しました。
中世にできた共和制国家はほとんどイタリアでしたが、例えばヴェネツィア、フィレンツェ、ジェノヴァなどの共和制国家では、権力の集中を抑制するために非常に良くできた制度である共和制ローマを参考にしました。
共和制とは、合議制です。
つまり、議会を作る必要があります。
そのときに元老院を参考にしたのです。
西ローマ皇帝後継者である神聖ローマ皇帝の帝国ドイツの自由都市も合議制で、共和制ローマを参考にしたはずです。
もちろんローマ共和制の前には、アテネ共和制があります。
ヨーロッパの歴史や文化の源流は、つまるところローマ、ギリシャにあることを、ローマに行くと常に感じるべなー。
ヨーロッパの政体に影響を与えたSPQR。主権在民のシンボル。イタリアで、民の声がよく反映されるのは、こうした歴史もあるからかと思います。
イタリアは美しくて、おいしくて、激しくて、だらしなくて、ダメダメでも、圧倒的な魅力がありますね。
by 鶴田おかめ