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Channel: CAPIN(キャピン)公式活動報告
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地域猫活動推進事業の突然の終了に、混乱する現場

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せっかくこの世に産まれても、保健所やセンターで処分されたり、カラスに突かれ、車に轢かれ、疎まれて薬殺されたりする不幸な命を最初から産ませないためのTNRは、猫殺処分ゼロの要、かなめです。

つかまえて手術して増えないようにした上で、ごはんや暖かな寝床のお世話をします。

管理して人道的に減らしていきます。

餌やるな、では解決しない。餌やりさんを敵にしたら、問題は水面下にもぐり見えなくなる。こっそり餌を与える人は必ずいます。それより堂々、皆で情報を共有し、手術して耳カット猫を増やす。世界で、全国で、進んでいる取り組み、TNRとその後の継続管理。そこに猫の市民権を得たのが、手術の終わったさくら耳の地域猫たち。

茨城県でも猫ボランティアさんたちが一生懸命、野良猫の手術をしています。

耳先にカットが入った花びら耳の猫たちを見かけたら、そこにはお世話されているボランティアさんがいらっしゃるということです。

☆☆☆

今年度、地域猫活動推進事業を含む環境整備事業には2千2百万円以上の予算がつきました。

茨城県は地域猫助成を昨年度からスタート。

民間ボランティアが地域猫計画書を作成し、市町村に提出。
市町村が県に申請。
県から市町村に手術券が配布される。
市町村から手術券を民間ボランティアが受け取る。


上半期が終わる9月頃。
10月にまた申請受付が始まると、県から聞いていました。

会に各地から寄せられる野良相談。

高齢者や障がい者が絡んだ深刻な内容も少なくありません。

相談依頼者さんと待ち合わせ現地を確認し、頭数や出産の有無、子猫の日齢、苦情などの情報を集め、餌やりさんや排除派の住民と交渉し、捕獲器の設置許可をもらい、とたくさんの苦労を乗り越えてやっと話をまとめ、申請となります。

牛久沼周辺やつくばみらい市、常総市、つくば市、、、と、各エリアの地域猫計画書を書きました。現地調査や書類準備に時間がかかり、申請が10月末となりました。





餌やりさん、病院搬送、それぞれの担当者を決めるのも難航しますから。

10月末に各市役所に申請に行くと、市役所担当者がまずよく仕組みをお分かりでなく、助成金の説明から始めねばなりませんでした。

そのあとやっと、仕組みを理解された市役所に、申請書類を受付けてもらいました。

いよいよ市役所が県に電話をして、申請の確認をとります。

すると、何と、県からは、予算がなくなったために10月12日に締め切りました、と言われたのです。
どちらの市役所から電話しても、締め切った、とのこと。

☆☆☆

ずっと民間ボランティアが自腹で解決してきた野良猫の繁殖防止。

利権フリーの獣医さんや、法人に所属しても野良猫にはご好意で値引きしてくださる獣医さん、出張で集団手術を行われる先生のお力によって、少しずつ楽になってきたとはいえ、野良猫の圧倒的な数の解決には追いつきません。

殺処分ゼロ条例が制定され、地域猫を実現するための助成金制度がやっと出来て、公的な支援が少しは入ることをボランティアの方々で喜び合っていました。

が、たった12日後には、予算がなくなりましたから今年度は中止、と。あとは来年4月以降、と。

この間の現場の努力、準備はオジャンに。

それどころか、地域猫助成金申請の準備段階で、私たちボランティアは当然、複数の相談を受けることとなります。猫現場をやっていると数珠つなぎに相談が寄せられるわけですから。実は、あちらにも、こちらにも、と。

野良猫の繁殖を目の当たりにしてしまった、これをどうするのか?が私たちの悩みになります。

助成金が再度おりる4月まで待っていたら増えてしまうのを分かっていて、助成金がなくなったから捕獲はやめます、とはならないわけです。

今、現場は混乱しています。

倉庫に入り込んだ子猫


今回、地域猫助成金の予算が尽きたので締め切ります、との周知はされませんでした。2週間前には県から、また受け付けが始まる、と散々言われていました。だから私たちは準備してきたのです。(年度末には多額の不用金を出してきた県です。無いわけないですし、補正予算もありえます。)


11.5に、電話で県に問い合わせました。課長さんからは、NPOは自分たちの出来る範囲内でTNRを行うべきだ、と言われました。


はい、助成金制度ができる前は、地域の状況や出産時期により優先順位を考え、お財布と相談しながら寄付を呼びかけながら、コツコツと手術を進めていたのです。

ところが今回は、助成金を出す、とずっと言われてきたのです。だから、準備したのですよ。


また、このようにも説明されました。

助成金がなくなったというより、これまで申請のなかった市町村を助成する方針だ、と。

でも、私たちの会では、初めての龍ケ崎市とつくばみらい市に申請し、市が県に申請しても通りませんでした。

☆☆☆

先日龍ヶ崎市役所へ地域猫申請したら、まず受付で、それって何ですかと聞かれ、環境対策課では10月12日で後期終了してますと言われました。
地域によって分かってないんですね。
この前、後期再開したばかりだと思ったのに、1ヶ月ほどで終了なんて、おかしいです!
役 龍ヶ崎市役所なんて1度も申請に来た人は居ないと言ってたぐらいなのに、何故予算がなくなるんでしょうか!!😡

☆☆☆  以上、龍ケ崎市ミキちゃんより

手術を必要とする飼い主不明の猫がこれだけ多くいるという現実があります。

助成金が足りなくなったのなら見直しをして、1匹あたりの額を下げて、より多くの猫が受けられるようにするとか、動物指導センターや指定病院で、予約にて無料手術を受けられる仕組みを作るとか、手だてが必要です。

これだけたくさんの猫たちが、ボランティアさんたちが、オペのチャンスを待っているのです。

そもそも、野良猫には飼い主がいないのだから、費用負担する人はいないのです。この野良猫から手術費用をとり営利事業をすること自体がおかしな話です。野良猫の手術は、公的に行い、無料であるべきです。


神栖で遺棄されていた子猫たち

戸塚でスクスク育っています


親に手術していたら、産まれて捨てられることもなかった子たち。
助かったこと自体が奇跡なのですから。




この子たちは育ったからよいけれど、
多くは産まれても不幸になり命失われていきます。




会には山のような野良猫相談が寄せられます。
毎日、来ます。
県や市には、届かないだろう相談です。

必ず人の問題が絡んでいます。
こうした相談に、真摯に対応していくことが必要でしょう。たとえば昨日。

☆☆☆☆☆☆

相談内容:

母親の家の庭に母猫が子猫(見た目6ヶ月ほど)5匹を置いて行ってしまい、母親が餌を与えつつ、近所で飼って頂ける方を探したり、行政に電話や動物愛護団体に連絡したりとこの数ヶ月手を尽くしておりましたが、母親本人が重度の病院にかかり冬になるまでに子猫たちを助けたいと泣くばかりで、手詰まりとなってしまいました。

私は娘ですが、こちらも今年子猫を2匹保護しておりまして、経済的にも食費が切迫しており
また、母親の生活費の為に働きに出ておりまして、今5匹全部は保護できない状態でございます。

出来れば、5匹不妊手術後新しい家族を見つける事が理想ですが、どうかお力添えまたアドバイスお願い致します。

☆☆☆☆☆☆

ここもコツコツとやらねばなりません。
SOSに向き合う現場は常に苦しいです。

今、茨城県の各地で、申請を断られた猫ボランティアさんたちが、途方に暮れておられます。結局は多数の地区の猫問題を抱えるはめとなり、放置はできず、ボランティアさんや特定のボランティア獣医さんが自腹でやるしかなくなります。やらねば春には5倍に増えるから、連れてきて良いですよ、と協力獣医さん。

猫の現場は、いつになく混乱しています。

ため息ばかり。


by 鶴田おかめ




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