身体的虐待でないと虐待とは言わないのでしょうか?
水を与えない、散歩に連れて行かない、というネグレクトも、あきらかな虐待です。法律も変わりました。
しかし、殴ったり蹴ったりがないからと、警察はネグレクトをまともに取り上げません。
動物虐待の概念は、児童虐待に比べて30年遅れていますね。
それを感じる相談事例をご紹介します。
保健所と警察のたらいまわし、情けないです
犬を助けるには、警察を動かすしかなく、
警察が動かないなら、市民100人の連名での告発しかないかもしれませんね。
あのわんちゃんが助かるのかどうか。見守っていき、もし動かずどうしても解決しないなら、時期がきたら呼び掛けをいたしますので、応援をお願いします。
■相談内容:
「ほぼ置き去りの犬を、悪評判の飼い主から保護する交渉方法があるか」
************************************************
■状況
・H28.2月に老夫婦が亡くなり、 ミニチュアピンシャー2匹が、無人となった家の庭に繋がれていた。寒い時期から、この2匹は外で激しく鳴いていた。そのうち1匹は亡くなってしまって、今は1匹が残っている。
・空き家に、毎週または隔週、土日のどちらかの15~16時の1時間ほど、
老夫婦の息子が滞在し、犬に大量の餌と水を与え、掃除をせずに帰ってしまう。
・激高しやすい息子(50代、他県在住)を近隣は恐れて、協力者はほぼいない。
・犬は庭の軒下、縁側につながれており(現在は室内)、餌にはハエがゴキブリがたかり、水が入ったバケツは藻や苔が生え、 糞尿は足の踏み場もないほど山積み。悪臭が漂う。
・犬は痩せてはいないが、腰から下がハゲている(真菌性の皮膚炎)、頭部が直径1センチほどハゲており、少量出血。
・警察、保健所に現地確認してもらったが、 警察は 『息子に電話をし、今後の相談は保健所へ、と伝えたので、これ以上は動けない』とのこと。 保健所は 『最低限の餌がある』との理由で、虐待とは判断せず、 『警察が動いているので』との理由で、保健所は息子に接触せず。
・H28.6.26、息子に接触し、 「不在時の餌やり、掃除、散歩、必要であれば譲渡先探しを手伝える」旨を 提案したが、一切受け入れず、犬を居宅内に閉じ込めてしまった。
・再度、警察と保健所に、虐待と判断されない理由について回答を求めたが、
「虐待とは言えない、これ以上息子さんと接触しないように。」とのこと。
************************************************
●6.19(日):息子さんが空き家に来たらしい(近隣の方談)
●6.21(火):現地確認後、警察・保健所に相談
あまりにひどい鳴き方なので、空き家に伺ったところ、やはり不在。
インターホンは、門の中にある居宅の壁に設置されていたので、
インターホンを押すために門の中に入ったところ、
雑草が生い茂る庭の奥、軒下に犬が1匹見えたので
近くまでよって、一握りの餌を与えました。
痩せてはいませんでしたが、腰からお尻にかけて全てハゲており、
糞は足の踏み場がないほどの山積み、餌も状態が悪く虫がたかり、飲み水はコケだらけでした。
薄いビニール製の小さな小屋?の中に、クッショ ンら しきものがありましたが、糞尿まみれ、ゴミまみれで、どこで寝ているのかわからない状況、酷い悪臭でした。
そこで、すぐに警察署(生活安全課)に行き事情を説明したところ、 保健所にも連絡してほしい 。明日現場を確認すると言われ、
保健所に行き説明したところ、「匿名での通報とする。明日現場を確認する。
保健所が出来ることは少ないが了承してほしい」。
毎週土日の15時から16時に来ることを伝えたところ、 「本日、そのくらいの時間に行き、先日まで犬がつながれていた場所を確認してくる。」とのことでしたので、 犬の繋がれていた場所の入り方、別視点からの確認の方法などをお伝えしましたが、13:30に警察から現地確認報告の電話を頂き、「雑草がすごくて、つながれていた場所までたどり着けなかった。玄関先にペットシーツの袋が庭に捨ててあり(以前から放置してある)、面倒を見ているようなので虐待ではない。
●6/22(水):警察が息子に電話で注意、保健所は「虐待とまでは言えない」
警察と保健所からそれぞれ電話連絡を頂きました。
警察からは
「昨日、息子さんと連絡が取れた。 息子さんも問題だと思っているが、仕事があり犬の面倒を見られない、とのこと。 犬の所有権放棄については不明。息子さんがこの空き家に転居する様子はない。 息子さんに、今後は保健所やボランティア団体に相談してほしいと伝えた。本日、別の警官が現地に行き、劣悪な状況であることは確認したが、 息子さん本人に保健所へ連絡するよう伝えたので、 警察 が出来ることはここまで。今後は保健所と連絡を取り合ってほしい。」
保健所からは
「本日、現場を確認した。真菌性の皮膚炎を発症している。 かなり劣悪な環境ではあるが、犬自体は割と太っており、虐待の基準の最低限を満たしている(一応餌はある、雨はしのごうと思えばしのげる、かなり汚いが水はある等)ので 虐待とまでは言えない。
警察が息子さんに、保健所へ相談を、と伝えたのであれば
保健所は息子さんからの連絡を待ち静観する。積極的には動けない。基本的に土日は動けない。
息子さんが犬を処分したいと言えば受け付けるが、
皮膚炎があり治療は1年程度かかると思われるので、譲渡犬とはならず、即処分となると思う。
近隣の方何人かとで、息子さんと話をしてみたらどうか。あとはあなた次第。」
とのことでした。
●6.23(木):市の動物愛護推進委員に相談
●6.24(金): 状況を保護活動家U様に伺い相談したところ、
「まずは息子さんと話をしてみてほしい。預かり先はこちらで探せる。」との電話を頂きました。
治療や飼養等の費用は、当方が全てお支払するとお伝えしました。
●6.26(日):息子さんは犬を居宅内に入れ、外からは確認できない場所に隠してしまった。
15:30~数分、
数人で、相手方玄関先で会話しました。
犬は、玄関の中で首輪のみで走り回っていました。
手助け等:拒否
所有権放棄:意思なし
相手方連絡先:回答なし
犬のことで、近所の方々も心配しているので、餌やりや散歩、雨の日の対応など、何かできることがあれば手伝いたい。日中、敷地内に入っても大丈夫か?
もし飼えないようであれば、新しい飼い主を探すこともできる」旨をお伝えしましたが、相手方は、最初の30秒くらいは普通に応対していましたが、
玄関の奥に犬を隠してしまい、犬の話になるとかなり苛立った様子を見せ、全く会話ができませんでした。
「犬は病気なので近づかないでください。皮膚炎です。 私は○に住んでおり、マンション住まいなので犬は飼えない。 私がこっちに住めばいいんだろう!住めっていうんだろう! 犬を手放す気はない!手助けは全く必要ない! 毎週末、帰ってきて面倒みているんだから、それでいいだろう!帰ってくれ!」とのことでした。
会話から約10分後、息子さんは自動車で発車されました。
その後、車が戻っていた様子はなく、
雨戸等が全て閉ざされた居宅内から犬の鳴き声が聞こえていましたので、
動物病院を受診させることなく帰宅したようです。
ご近隣の方も、息子さんの対応に困惑しており、
これ以上の協力は困難なようです。
●7/2~3(土日) 息子さんが空き家を訪れた様子はなし。見逃した可能性もあり。
●7/3(日) 警察に虐待の判断確認→「ペットシーツが放置してあるので虐待ではない」
警察に伺いました。 以前担当してくれた警官はおらず、別の警官に対応頂きました。 以前、現地確認をした警官が虐待と判断しなかった理由について、回答を求めたところ、 「保健所が虐待と判断したのであれば、保健所の判断に従うしかない」とのこと。
犬は家の中で鳴いているので生きているが、 姿が見えないので虐待の事実をもう確認することはできない。 犬の薬を息子に渡すなど、息子への接触は危ないのでやめてほしい。 少なくとも、近所の方や自治会の方と一緒に行ってほしい。」と言われました。
●7/4(月) 保健所に虐待の判断の確認→「ネグレクトは虐待ではない」
保健所に、「警察に問い合わせたところ、保健所の判断に従うしかないとの回答を得た。
虐待の判断基準は?飼育放棄は虐待ではないのか?」を問い合わせたところ、 「判断基準は個人によっても異なるが、
一切餌を与えていないわけではないので、直ちに生命に危険が及ぶ状態ではない。
家で飼っていても、全く世話をしない人もいるので、ネグレクトであっても虐待ではない。」とのことでした。
************************************************
<相談ここまで>
警察、保健所のたらい回し状態です。
犬の緊急保護がされていないのは問題です。
エサや水の不足だけでなく、今の季節は熱中症も心配です。
このような不衛生で不適切な環境で、かつ、皮膚病も放置されています。
これが適切な飼育環境でないことは素人目にも明らかです。
ネグレクトが虐待ではない?
ほんとうに保健所がそう判断したのでしょうか?
耳を疑います。
CAPINから、警察と保健所に電話をし、この犬の救済に関し積極的に動くよう求めました。
警官も保健所職員も、不適切な飼育であることは認めておられました。
が、言い訳をみつけてなかなか動こうとしないので、改正動物愛護法44条についてや環境省からの告示についてお伝えし、これを知って動かないほうがおかしいのだと訴えました。そして今後も問い合わせをし続けますとお伝えしました。
その晩に、警察のほうで息子さんに再度電話を入れたそうです。
保健所の指導に従うよう、そして飼育できなければ保護団体に相談をするよう。
高齢者の残した犬猫。
その世話ができなければ、終生飼養のできる施設に有料でお願いしなければ、保健所かセンターでの処分となります。
生き物を飼うには責任が伴います。
残された家族の負担。
丸投げされる保護団体の苦悩。
無責任の連鎖をいかに断ち切るか。
愛情と散歩と日頃のケアを求めている愛護動物が、ずっと放置されていて、最低限、生きて行かれるだけのお世話しかされないなんて...。
天国の老夫妻はどんな思いでこのわんちゃんを見ているでしょうか。
もう1匹は何が原因で亡くなったのだろう。
そして、残った1匹の、よりよい未来のために、どうしたらいいのだろう。
まずはこのネグレクト状態を改善しなければ。
警察も保健所も、目の前に行われていても積極的に動かないので、こちらで粘り強く、証拠を集めていくしかありません。
写真、動画、獣医師による診断書はいつも重要な証拠になります。
(亡くなっても埋めたり焼いたりしないで、冷凍などしてとっておくのです。
心ある獣医さんに相談すると、保存方法についても教えてくださいます。)
そして、毛を1~2本抜いて、「この動物に具体的にこのような虐待がなされたのですよ」と言えるような証拠の積み上げを、私たちも準備しなければ。
そして、証拠は消されてしまう前に動くしかありません。
このわんちゃんを心配された方から、CAPINに写真が届きました。
<後日>
先週土日、息子さんは空き家に来た様子がなく、
おそらく6/26を最後に、一度も来ていないようです。
昨日夕方、インターホンを鳴らしたところ、犬が鳴いており、生きていることを確認しました。
Ⅱ 飼育改善指導が必要な例( 虐待に該当する可能性、あるいは放置すれば 1 . 一般家庭 2 . 動物取扱業者等 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/files/n_07.pdf http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h1903.html http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/poster04.pdf 環境省HPより: _________ 愛護動物を虐待したり捨てる(遺棄する)ことは犯罪です。違反すると、懲役や罰金に処せられます。 動物虐待とは、動物を不必要に苦しめる行為のことをいい、正当な理由なく動物を殺したり傷つけたりする積極的な行為だけでなく、必要な世話を怠ったりケガや病気の治療をせずに放置したり、充分な餌や水を与えないなど、いわゆるネグレクトと呼ばれる行為も含まれます。 なお、食用にしたり、治る見込みのない病気やけがで動物がひどく苦しんでいるときなど、正当な理由で動物を殺すことは虐待ではありませんが、その場合でもできる限り苦痛を与えない方法をとらなければなりません。 動物の飼い主の責任には、動物を正しく飼い、愛情を持って扱うことだけでなく、最後まできちんと飼うことも含まれます。飼えないからと動物を捨てることは、動物を危険にさらし、飢えや乾きなどの苦痛を与えるばかりでなく、近隣住民にも多大な迷惑になります。また、近年は、日本の自然に生息していなかった外来生物が野外に放たれ、それによる農業被害や生態系破壊が大きな社会問題になっています。 _________ byおかめ
虐待に該当する可能性があると考えられる例) について
・餌が十分でなく栄養不良で骨が浮き上がって見えるほど痩せている(病気の場合は獣医師の治療を
受けているか。高齢の場合はそれなりの世話が出来ているか。)。
・餌を数日入れ替えず、餌が腐っていたり、固まっていたりして、食べることができる状態ではな
い。
・器が汚く、水入れには藻がついている。あるいは、水入れがなく、いつでも新鮮な水を飲むこと
ができない(獣医療上制限されているときを除く)。
・長毛種の犬猫が手入れをされず、生活に支障が出るほど毛玉に覆われている。
・爪が異常に伸びたまま放置されている。
・(繋ぎっぱなしで散歩にも連れて行かず、)犬の糞が犬の周りに何日分もたまり、糞尿の悪臭がする。
・外飼いで鎖につながれるなど行動が制限され、かつ寒暑風雨雪等の厳しい天候から身を守る場所
が確保できない様な状況で飼育されている。
・狭いケージに閉じ込めっぱなしである。
・飼育環境が不衛生。常時、糞尿、抜けた毛、食餌、缶詰の空やゴミがまわりにちらかっており、ア
ンモニア臭などの悪臭がする。
・病気や怪我をしているにもかかわらず、獣医師の治療を受けさせていない。
・リードが短すぎて、身体を横たえることができない。
・首輪がきつすぎてノドが締めつけられている。
・しつけ、訓練と称するなどし、動物に対し殴る、蹴る等の暴力を与えたり、故意に動物に怪我をさせたり
する。
・事故等ではなく、人為的に与えられたと思われる傷が絶えない。
・ケージが狭く、動物の排泄物と食餌が混在した状態で放置されている。動物が排泄物の上に寝てい
る。
・常時水を置いていない。あるいは、水入れはあるが中に藻が付いていたりして不潔である。
・幼齢にもかかわらず、食餌を適切な回数与えず(例えば朝晩の2回のみ等)、また、それで問題ない
と説明している。
・糞尿が堆積していたり、食餌の残渣が散らかっていたりして、清掃が行き届かず、建物内、ケージか
ら悪臭がする。
・動物の体が著しく汚れている。
・病気や怪我をしているにもかかわらず、獣医師の治療を受けさせていない。
・飼育環境が飼育している動物に適していない(温度・湿度の調整も含む)。例えば、 西日が当
たるなど建物内の温度が上昇した場合、あるいは、その逆で、冬季に低温となった場合に対応し
ない。
・多頭飼育で、飼育環境が不衛生。常時、糞尿、抜けた毛、食餌、缶詰の空やゴミがまわりにちらか
っており、悪臭がする。
・ケージ内で動物を過密に飼育している。
・店内の大音量の音楽、または過度の照明にさらされることにより動物が休息できない。
・しつけ、訓練と称するなどし、動物に対し殴る、蹴る等の暴力を与えたり、故意に動物に怪我を
させたりする。
・体調不良、不健康な動物をふれあいや散歩体験等に使用する。
・出産後、十分な期間(離乳し母体が回復するまでの間)を経ずに、また繁殖させる。
2 その他、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの虐待の禁止
遺棄の禁止