Quantcast
Channel: CAPIN(キャピン)公式活動報告
Viewing all articles
Browse latest Browse all 8392

WSPA による野良犬対策マニュアルを、常総野犬対策に!

$
0
0


野良犬対策(前半)

野良犬をなくすための実用ガイド


この冊子は、政府機関、地方自治体、動物対策の専門家が、効果的な最新の野良犬対策についての理解を深め、それを実現していくのに役立ててもらうために、世界動物保護協会(WSPA)が作成しました。

この冊子は、1990年に、世界保健機構(WHO)と世界動物保護協会(WSPA)が共同出版した「犬の頭数管理のためのガイドライン」を補足する目的で作られました。野良犬対策を立てるにあたり、従来から用いられてきた有用な手法や、必要な施設、道具、作業手順についての具体的な参考情報を含めた実際的な詳細情報を盛り込んでいます。この冊子で説明する基礎情報の中には、「犬の頭数管理のためのガイドライン」から内容を引用したものもあります。

更に詳細な情報が必要な場合や、ご相談は、WSPAまでご連絡下さい。

WSPA 世界動物保護協会
89 Albert Embankment, London, SE1 7TP, UK
Tel +44 (0) 20 7793 0540
Fax +44 (0) 20 7793 0208
e-mail: petrespect@wspa.org.uk
web: www.wspa-international.org
訳者 林裕美子

目次
歴史的背景
犬を飼うことの恩恵
きずなが壊れるとき
野良犬とは?
費用問題
効果的な対策
啓発
犬の登録と標識着用
犬の登録料あるいは課金
避妊・去勢
飼い主のいない犬が生息できる環境をなくす
ブリーダーの認可制度
販売業者の認可制度
制度の運用
必ず効果があがる
付録
付録1) ウォルサム・フォレスト野良犬対策
付録2) ペットに関する法的規制案
付録3) 犬を制御するための道具 車両に装備するとよいもの
付録4) 犬の標識
付録5) 犬収容施設を建設する際のヒントおよび設計方法 犬舎や作業車内への病気の持ち込みや感染拡大を防止するための手順
付録6) 犬の捕獲のコツ
付録7) ダンディー地方の対策委員会の例
*補足1  避妊去勢対策の効果:ダンディー
付録8) FECAVA方針
避妊去勢について (1988年11月)
外科的切除について(1988年)
人に危害を及ぼす犬(1998年)
*補足2 「ペットの尊厳を守る」キャンペーン用の情報媒体
このパンフレットは、犬の対策についてのものです。猫対策についての情報をご希望の方は、「猫の飼い方と繁殖対策」という冊子をWSPAで用意しています。

歴史的背景▲目次へ戻る
人と犬の相互依存の関係は、1万2千年以上前のユーラシア大陸で始まった言われています。オオカミが昔の人の野営地や居住地に近づいて餌をもらううちに、差し迫った危険を人に知らせたり、やがては野生動物の狩を手伝うようになり、人に歓迎される存在になりました。このようにして犬の家畜化が実現し、人と動物のかけがえのない絆が築かれました。

犬を飼うことの恩恵▲目次へ戻る
犬を飼うことで人が受ける恩恵は数え切れません。犬は、人の作業を補助する動物として、さまざまな用途に用いられます。例えば、牧用犬、そり犬、番犬としても役に立ちます。盲目や聾唖といった障害を持つ人の介助犬としても活躍します。ペットとして飼えば、人の相手をし、人が運動するのを促し、変化に富んだ楽しいライフスタイルを提供し、世話をするという刺激を人に与えることによって、人の孤独や憂鬱をいやしてくれます。また、人の関心を外に向けさせたり、犬といれば危険がないという安心感を与えたり、直接触れることができる心地よさを人に与えることによって、不安感を解消します。 犬の存在が心理学的にも生理学的にも飼い主に恩恵をもたらすことは、さまざまな科学的研究で確認されています。ストレスが解消されると、免疫機能がうまく働くようになることはよく知られています。そばに寄り添う犬がいると人の情緒を安定させるという理由から、ホスピスや病院が犬を飼い始めました。

きずなが壊れるとき▲目次へ戻る
犬を飼いならし、人の役に立つ仕事をさせ、その代わりに人が犬を保護してきたことにより、人と犬の強い絆が作られてきました。ところが今日、犬を過剰に繁殖させて数を増やしたのに世話をせずに捨てるという行為が、この強い絆に暗い影を落としています。これは、犬を大きな不幸に陥れ、人間社会の健全な発達も妨げます。政府機関や地方自治体の多くは、このような捨て犬が引き起こす問題に直面し、簡単な解決法としてまとめて殺処分にするという方法をとりました。しかし、この殺処分という方法には終わりがなく、毎年毎年くり返すだけのものであるということがわかってきました。なお悪いことに、野良犬の数を一時的に減らすと、残った野良犬の生存チャンスを行政当局が増やしてやることになります。野良犬が「一掃された」地域には周辺から野良犬が移住してきて、もし狂犬病などの病気を持った犬が移住してくれば、感染が広がることになります。 このような「捕獲して殺す」方針にのっとって実際に捕まえられた犬をみてみると、飼い主の家からあまり離れていない場所で捕獲されることが多いようです。飼い主は、このような捕獲に憤慨し、もし殺処分になってしまった場合には、行政当局に対して激しい抗議をするのが普通です。軋轢を起こさずに犬の数を減らすためには、地域社会や動物愛護団体の支持をとりつけなければなりません。 地域社会の余剰犬の問題を解決するときに、捕獲して殺すのが最も効果的だとは、決して考えてはいけません。犬の過剰繁殖という問題の根本的な解決には何の役にも立たないからです。野良犬をなくすためには余剰な犬を取り除くだけではすまないことが、やっと認識されてきました。犬の登録、避妊・去勢、市民の啓発を含む、長期的な視野に立った積極的な介入が必要不可欠です。

野良犬とは?▲目次へ戻る
国によっては、公共の場で飼い主と一緒にいない犬、つながれていない犬、首輪と識別タグをつけていない犬を法的に野良犬と定めています。また別の国では、首輪をつけずに飼い主の家の付近を放し飼いにされ、夜になれば餌をあさりに遠出させるような場合でも飼い犬です。このような両極端の中間的な存在として、公共の場で放し飼いにされたまま飼い主を待っている犬、迷子になった犬、自ら家出をした犬、捨て犬がいます。気候が暖かければ、雌の野良犬が産んだ仔犬も生き延びることができます。親犬の元の飼い主が見つからなかったり、新しい飼い主のもとに引き取られなければ、このような仔犬は飼い主がいない状態で成長することになり、凶暴な野生の成犬になることもあります。このような野良犬は捕獲が難しく、病気を伝播させることもありますが、生存率が低く大きな問題になることはあまりありません。 野良犬駆除計画では、飼い主がいる犬といない犬を区別し、それぞれに応じた扱いを策定しなければなりません。また、飼い主が責任を持って犬を管理するという根本の問題を解決するための市民の啓発活動とも連動していなければなりません。

(続く)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 8392

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>