松野頼久議員の国会質問です。
衆議院
平成二十八年三月八日(火曜日)
第2号 平成28年3月8日(火曜日)
松野(頼)委員 ありがとうございます。ぜひお願いします。
それで、あとは、法律と条例の関係について。
この一枚目に、山口県の飼犬等取締条例というのがありますね。この条例には九十日以内の子犬とか何だとかそういうルールがないんです。
それで、ちょっと資料をめくっていただいて、五ページ。これは昔、私が質問して、通達を出してもらったんですが、まず、狂犬病予防法第六条九項に基づく処分の決定に当たっては、犬、猫の引き取り等措置三の三に基づき、できるだけ生存の機会を与えるように努められたい。これは生存機会を与えろということですね。
もう一枚めくっていただいて、これは厚労省の狂犬病予防法のところから各自治体に送ってもらったんですが、生後九十日以内の子犬にあっては、狂犬病予防法に基づく勾留の対象にはならない、よって、一枚めくっていただければ、この九十日以内の子犬の処分の方法は殺処分に限るものではなく、動物愛護管理法の観点から自治体の判断により、処分の方法として、家庭用動物、展示用動物としての適性があるものについては、生存の機会を与えるために飼養を延長することを否定するものではない。要は、九十日以内の子犬というのは、狂犬病予防法の登録が九十日からですから、狂犬病予防法の対象外だから、九十日以内の子犬に関しては、なるべく愛護法の精神に基づいて譲渡に回してくださいみたいなことを全国に通知しているんですよ。
しかしながら、この山口県の条例では、これは山口だけじゃなくて全国同じだと思いますけれども、まず、九十日以内の子犬だ何だというルールはない、ただ、犬が歩いていたら捕まえて勾留しろ、二日間公示をして、三日後に飼い主が出てこないときには処分しろ、そういう内容の条例なんです。
動物愛護法及び狂犬病予防法の法律とこの条例の関係について、僕は、ちょっと法律の中に、この条例が飛び出している部分があるんじゃないかと。さっき言ったように、命あるものに鑑み、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、または苦しめることのないようにといいながら、山口県の条例では、その下に、薬殺してもいいと書いてあるんですよね。ただ、これも非常に曖昧で、人畜その他に危害を加えることを防止するため緊急に必要がある場合においてと書いてありますが。
確かにこれは、刃向かってきたらしようがないですよ。かもうとして人間を襲ってきた場合やむを得なくというのはしようがありませんが、そうではなくて、こういうことが実際に行われているという現状があるということに対して、やはり動物愛護法の基本概念からは少し違うのではないかというふうに思うんですね。この辺どうですか、大臣。
○丸川国務大臣 今、薬物を用いた処分ということについてお話がございましたけれども、これは先生方の御尽力によるものと思いますけれども、環境省から各自治体に対して確認したところ、昨年以降は、薬物を用いた野犬の駆除等の実施の有無について、実施した自治体はなかったという報告を受けております。
加えて、動物愛護管理法の内容について、捕獲についての制限でございますが、自治体が犬を捕獲すること自体は法に抵触するものではないと考えられますが、一方、おっしゃるとおり、やはり動物愛護管理法の趣旨を踏まえて、できる限り自治体においても譲渡の努力をしていただくということが必要だと考えられます。
○松野(頼)委員 ですから、要は、この条例に基づいて九十日以内の子犬も平気で捕獲してくるし、それをまた、譲渡をする努力もなしに、それほど努力もせずに、そのまま殺処分に送り込んでいるというのが現状なんですね。
要は、国の考え方でいうと、九十日以内の子犬は狂犬病の適用範囲外だから、動物愛護法でなるべく譲渡しなさいという方針なんだけれども、これは昭和四十何年につくられた条例なので、全く昔の、愛護法が何回も何回もだんだん時代に合わせて改正するのにある意味追いついていない時代の条例がいまだに残っている自治体が多々あるんです。そういう自治体ほど、見ると、非常に殺処分数が多いんじゃないかというふうに思いますので、ぜひこの辺は各自治体に対してしっかり指導していただきたい。
いろいろやっていらっしゃるというふうに事務方は説明するんですが、現に、確かによくなってきてはいるんですけれども、まだまだ古い、後ろ向きの自治体が多々ある。そのことはぜひ御理解いただきたいと思います。ちょっと御答弁をお願いします。
○丸川国務大臣 やはり、各自治体においてさまざまな主体が働きかけをしていただいたり御尽力している中で、市あるいは地域全体の意識が高まってくるということは重要かと思いますが、ぜひそうした機運をしっかりと後押ししていけるように環境省としても努力をしてまいりたいと思います。