海、大地、太陽のおはなし

５月末、子猫ラッシュのＣＡＰＩＮに、緊急の子猫保護の相談がありました。


ごみ捨て場のタライの中に遺棄されていた、赤ちゃん猫３匹。
雨が降ってきて、溺死しかけていたところを見かねた近所の方が保護したものの、
その方は猫が嫌いで、もらってくれる知人がいなければ週明けにもセンターへ連れて行くとのこと。
もらってくれないか、と声をかけられた相談者の女性が、
ご自分では飼えないものの、何とか助けたいと相談を寄せられました。

緊急保護の必要を感じ、お電話でお話すると、第一声が
｢この後、何を言われるかは大体わかっているので…もう大丈夫です」

どういうことか戸惑いましたが、当会に相談をされる前に、
他の団体さんにも何件か相談をされたが、ことごとく冷たくあしらわれ、
中には、
｢助けたければお金さえ払えばどうとでもなる」「乳飲み子なんて助ける方が悪い」
とまで言われ、
「ＣＡＰＩＮさんだって乳飲み子は受けていないでしょう」
と、なぜかＣＡＰＩＮの名前まで出して拒絶されたということでした。

幸い、赤ちゃん猫のミルクボランティアさんのあてがあり、緊急保護ということで受けられるかもしれない、
とお話すると、諦めていた声がぱっと明るくなりました。

早速、お預かりボランティアに登録して下さっていた土浦市のＮ様に打診するとご快諾下さり、
翌日にはシェルターにて乳飲み子を受け取り、Ｎ様へお届けとなりました。

赤ちゃんたちを連れて来られた相談者さんは、命を見捨てることができない優しい方でした。


３匹は発育に大きな差があり、特に一番小さな子は体温も低く、
ミルクの飲みも悪く、鳴き声も立てずで、衰弱が心配されました。


おかめさんと、シェルターにいたボランティアさんと一緒に、懸命に授乳と保温をしました。


シェルターにご支援物資のミルクやシリンジ、哺乳器があったため、本当に助かりました。




Ｎ様のお宅へ搬送する車中、相談者さんは必死に小さな子を抱いて温め、
頑張れ、頑張れと声をかけ続けました。

温かく迎えて下さったＮ様とお母様、たくさんのワンちゃんたちに３匹を託したその夜、
残念ながら、一番小さな子は空へ旅立ちました。

初めてのお預かりだったのに、いきなり悲しい思いをさせてしまい、
Ｎ様には申しわけない気持ちでいっぱいでしたが、
残りの２匹を、この子の分まで頑張って育てますと、くじけずに預かりを続けて下さいました。




預かりボランティアさんは、本当の意味での命綱です。


大きかった子が大地、中ぐらいの子が太陽と名付けて頂き
Ｎ様とご家族皆様の懸命なお世話のおかげで、スクスク育った２匹。








チワワの久遠ちゃんがお母さん役を買って出てくれて、
２匹が幸せいっぱいに育つ様子に安心していたのですが…




大地くんが肺炎症状で緊急入院となり、
検査の結果、心臓に先天性の疾患が疑われることが分かりました。


２度の入院を乗り越えた、頑張り屋の大地くんでしたが、
心臓の検査予定日の朝、先に旅立った兄弟・海ちゃんのもとへ行ってしまいました。


ごみ捨て場で溺れていたかもしれない、週明けにセンターに連れて行かれたかもしれない、
そんな大地くんがたくさんの愛情を受けて、短いながらも生を全うすることができました。
海ちゃんも、目も開いていなかったけれど、温かな人の手のぬくもりの中で旅立つことができました。
急ぎ足で行ってしまったけれど、
Ｎ様のご家庭に迎えて頂いてからの日々は、本当に幸せだったと思います。

久遠ママが、兄弟を失った太陽が寂しくないよう、ケアしてくれました。




そしてＮ様は、残った太陽くんを家族として迎えたいとおっしゃって下さり、
先日、正式譲渡の手続きをさせて頂きました。

すっかり大きくなり、健やかに育っている太陽くんに再会できて感激でした


優しいワンちゃん達と、家族の一員としてにぎやかに暮らしています！

あかねちゃん、ニーナちゃんと
       
ごみ捨て場から救出した方、助けたいと奔走された相談者様、
３匹の受け入れを即決して下さったおかめ代表、
シェルターで授乳して下さったはぴはぴさん、
１日お預かりして授乳して下さったおきくさんとお嬢様、
お世話になった圭さん、ちゃまめさん、和尚さん、よっちゃん、
ご支援物資の子猫ミルクやフードを送って下さった皆様、
そしてＮ様ご家族の皆様に、心より感謝を申し上げます。

太陽、これからもＮ様ご家族を明るく照らして、健やかに育ってね


あなたの幸せが、海、大地、太陽に関わった、みんなの幸せそのものです。

（ｂｙドラメイ）